公開: 2023年1月11日
更新: 2023年x月xx日
米国の核抑止力理論の基礎には、米国自身を覗いて、全ての国家には、その国の利益に基づいて、米国政府および米国国民に対して虚偽の情報を伝える危険性が常に存在すると考えるべきであるとする不信感を基にすべきであるとする考え方があります。
そのような考え方に立った場合、米国は、核兵器を放棄するすることはできなくなります。それは、米国に対抗しようとする国家や勢力が、秘密裏に核兵器を開発し、保持して戦争を始めるかもしれないからです。そのような危険に対応するためには、そのような国家や勢力からの先制核攻撃に対抗できる核兵器を保持することで、それらの国や勢力のリーダーに対して、自分達の核兵器は米国の兵力に対抗できるものではないことを示すことが有効だからです。
2022年2月に、ロシアは隣国ウクライナを急襲し、その国土を占領しようとしました。この作戦の実施に先駆けて、ロシアのプーチン大統領は、ウクライナへの侵攻は計画していないと宣言していました。さらに、ウクライナとの戦闘がこう着状態に陥ると、プーチン大統領は、核兵器の利用をほのめかすようになりました。このような他国の指導者の考え方ひとつで、核戦争が起きる可能性は、否定できません。